定款の記載事項

合同会社を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければなりません。(会社法第575条第1項) 定款の記載事項には、絶対的記載事項、相対的記載事項及び任意的記載事項の3種類があります。(会社法第576条、第577条等)なお、合同会社の定款については、公証人の認証を受ける必要はありません。

(1)絶対的記載事項
定款には、次に掲げる事項を記載することが必要です。
● 目的
● 商号
● 本店の所在地
● 社員の氏名又は名称及び住所
● 社員の全部を有限責任社員とする旨
● 社員の出資の目的及びその価額又は評価の標準

(2)相対的記載事項
相対的記載事項とは、会社法の規定により定款に定めがなければその効力を生じない事項をいいます。
● 持分の譲渡の要件
● 業務を執行する社員(業務執行社員)の指名又は選任方法
● 社員又は業務執行社員が2人以上ある場合における業務の決定方法
● 合同会社を代表する社員(代表社員)の指名又は互選
● 存続期間又は解散の事由  等

(3)任意的記載事項
任意的記載事項とは、定款の記載事項のうち、絶対的記載事項及び相対的記載事項以外の事項で、会社法の規定に違反しないものをいいます。
●業務執行社員の員数
●業務執行社員の報酬
●事業年度  等

定款例

合同会社〇〇〇〇〇〇定款

第1章 総則

(商号)
第1条 当会社は、合同会社〇〇〇〇〇〇と称する。

(目的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
1 〇〇〇〇の製造販売
2 〇〇〇〇の売買
3 前各号に附帯する一切の事業

(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を東京都〇〇区(〇〇市)に置く。(注:〇〇区や〇〇市まででよい)

(公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載してする。

(定款の備置き)
第5条 当会社は、定款を本店に備置き、社員から請求があったときは、当会社の営業時間内に限り、閲覧に応じるものとする。

第2章 社員及び出資

(社員の氏名及び住所、出資の価額並びに責任)
第6条 社員の氏名又は名称及び 住所並びに出資の価額は、次のとおりである。
 社員 〇〇〇〇 東京都〇〇区〇〇▲丁目〇〇番〇〇号 金100万円(注:出資額は、任意に決められる)(注:現物出資も可能)
 社員 〇〇〇〇 東京都〇〇市〇〇町〇丁目〇〇番〇〇号 金100万円(注:同上)
2 当会社の社員は、全員有限責任社員とする。

(持分の譲渡制限)
第7条 社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。
2 前項の定めにかかわらず、業務を執行しない社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。(注:業務を執行しない社員についても、前項と同じく他の社員全員の承諾を要するようにすることも可能)

(競業の禁止)
第8条 業務を執行する社員は、当該社員以外の社員の全員の承諾を受けなければ、次に掲げる競業行為をしてはならない。
一 自己又は第三者のために当会社の事業の部類に属する取引をすること。
二 当会社の事業と同種類の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。

(利益相反取引の制限)
第9条 業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について、当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。(注:「社員の過半数」を「社員全員」と制限を強化することも可能、逆に、制限を緩和することも可能)
一 業務を執行する社員 が自己又は第三者のために当会社と取引をしようとするとき。
二 当会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において当会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。

(社員の加入)
第10条 新たに社員を加入させるには、総社員の同意を得なければならない。(「総社員の同意」を「総社員の3分の2以上の同意」とするなど要件を緩和することも可能だが、会社運営の安定という観点からは原案どおりでよいと考える)

(社員の任意退社)
第11条 社員は、事業年度終了の時において退社することができる。この場合においては、当該社員は、3か月前までに当会社に退社の予告をしなければ ならない。
2 前項の規定にかかわらず、社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。
3 前項のやむを得ない事由とは、当会社設立時又は入社時に前提としていた状況が著しく変わり、当初の合意どおり社員を続けることが困難になることをいう。

(社員の法定退社)
第12条 社員は、次に掲げる事由によって退社する。
一 社員の持分を差し 押さえた債権者による退社の請求(ただし、この場合は、差押債権者は、当会社及び当該社員に6か月前に予告しなければならない。)
二 総社員の同意
三 死亡
四 合併による消滅
五 破産手続開始の決定
六 解散(前二号に掲げる事由によるものを除く。)
七 後見開始の審判を受けたこと。
八 除名

(相続及び合併による持分の承継)
第13条 当会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、当該社員の相続人その他の一般承継人は、他の社員の承諾を得て、持分を承継して社員となることができる。

第3章 業務の執行及び会社の代表

(業務執行社員)
第14条 社員〇〇〇〇及び〇〇〇〇は、業務執行社員とし、当会社の業務を執行するものとする。

(代表社員・社長)
第15条 当会社に代表社員1名を置き、業務執行社員の中から、業務執行社員の互選によって定める。(注:定款で代表社員を決めてしまうことも可能)
2 当会社に社長1名を置き、代表社員をもって充てる。
3 社長は、当会社を代表する。

(報酬等)
第16条 業務執行社員の報酬、賞与その他の職務執行の対価として当会社から受ける利益については、当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。

第4章 計算

(事業年度)
第17条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。

(計算書類の作成)
第18条 業務執行社員は、毎事業年度終了後2か月以内に、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書、社員資本等変動計算書及び個別注記表をいう。)を作成し、当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。
2 前項の計算書類は、作成した時から10年間、これを会社に保存しなければならない。
3 社員は、当会社の営業時間内は、いつでも、第1項の計算書類の閲覧又は謄写を請求することができる。

(損益分配の割合)
第19条 利益の分配は、社員〇〇〇〇が5割、社員〇〇〇〇が5割とする。
2 損失の負担は、社員〇〇〇〇が5割、社員〇〇〇〇が5割とする。

(利益の配当)
第20条 利益の配当をしようとするときは、業務執行社員全員の同意をもって、次の事項について決定しなければならない。
一  配当財産の種類及び帳簿価額の総額
二  社員に対する配当財 産の割当てに関する事項
三  利益配当が効力を生じる日
2  社員は、前項の決定後でなければ当会社に対して利益配当の請求をすることができない。

(出資の払戻しの制限)
第21条 社員は、定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き、出資の払戻しを請求することができない。

第5章 定款の変更

(定款の変更)
第22条 当会社が定款を変更するには、総社員の同意を得なければならない。(注:要件を緩和することも可能)

第6章 解散の事由

(解散の事由)
第23条 当会社は、次に掲げる事由によって解散する。
一 総社員の同意
二 社員が欠けたこと。
三 合併(合併により当社が消滅する場合に限る。)
四 破産手続開始の決定
五 会社法第824条第1項又は第833条第2項の規定による解散を命ずる裁判

附 則

(最初の事業年度)
第24条 当会社の最初の事業年度は、当会社設立の日から令和○○年3月31日までとする。

(定款に定めがない事項)
第25条 この定款に定めのない事項については、会社法その他の法令の定めるところによる。

 以上、合同会社〇〇〇〇〇〇の設立のため、この定款を作成し、社員が次に記名押印する。

  令和〇〇年〇〇月〇〇日

       有限責任社員 〇〇〇〇 印
       有限責任社員 〇〇〇〇 印